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zoom RSS 行旅死亡人(2)

<<   作成日時 : 2015/03/21 20:01   >>

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(承前)

数キロに及ぶ長い高架の手前。

思えばここで止まってしまったのは幸いだったのかもしれない。

信号待ちの間。

いよいよ後輪は反発力を失い、だらしなくアスファルトに接地した。

こうなるとホイールの回転力は全く伝えられず、

アクセルをふかしても右に左にタイヤが潰れるだけで、

自走不能となった。


死体というのは実際よりも何倍も重く感じられるらしいが、

VOX号はまさにそれで、

仕方なく自力で押し始めたもののとりあえず

脇道の端までもっていくのがやっとだった。


やむを得ず僕はVOX号を放擲、

必ず助けに来るから。と約束して

置き去りにしたままとぼとぼと夜の大阪を歩き始めた。

大阪といってもここは果て。


しかし、ほどなくして明かりのあるバス通りまで辿り着き、

しかも丁度市営バスが到着。

駅まで揺られることができた。


駅からは普段、自宅まで徒よりまうでけり。なのであるが

疲れもあってバスを乗り継ぐことにした。


ほうぼうの体で帰宅した僕は行旅死亡人。

先に帰っていた妻も同じく死亡人だった。

人事異動で、いまの工場から市内最大の工場に

転勤することになったのである。


規模が最大ということは、生産量も最大なのであるが

必ずしもスタッフがそれに比例して配置されている訳ではなく、

仕事量÷人という立式で求められる解で最大という意味もある。


翌土曜。今日。

朝から豚児を連れコーナンへ。

VOX号救出のためである。


パンク修理キットとコンプレッサーを購入。

そして現地へ。


コンプレッサーをムーヴ号のシガーソケットに装着、

徐にエアーを注入した。が、

一向に空気圧が上がらない。

訝しく思ってタイヤを剥がしてみると、

チューブと空気を入れるところが、外れていた。


もう無理である。


諦めて帰投、いつものバイク屋さんへ。

事情を相談したが、マスターは

これから泉州に行く、よってすぐには対応できない。との

ことだった。

が、必ずVOX号は助けるから。と

心強い言葉をくれた。


僕は豚二を連れ休日出勤。

マクドナルドに寄った後、ちょっと公園で遊ばせた。


果たして。

帰途、VOX号置き去り地点を通過すると

なんと既にVOX号は引き上げ済み。


つまり、マスターがピックアップし、連れて帰ってくれた上

タイヤを交換してくれたのである。


夕刻。礼を言いにバイク屋さんへ。

はるばる果てまで探しに行ってくれた上、

タイヤ交換もしたのにたった1まん2せんえんちょっとという、

こちらを慮っての請求だった。


申し訳ない気持ちでいっぱいである。


麗らかな日だった。

妻と豚児は子供会の行事で映画鑑賞に行っていた。

僕はまたVOX号で仕事に行こう。

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